foober2000を使いこなそう! 【ハイレゾ再生の設定方法】

 無償の高性能サウンドプレーヤーとして人気の「foober2000」ですが、Windows版以外にMACやMobile(Android・ios)版も登場し、また最近のハイレゾ音源への人気やフルデコード機能を実装した低コストのDAC・ポタアンの登場により、高性能な機能と合わせ根強い人気を誇ります。

最初に【foober2000】の設定はテクニカルな事実について

 「foober2000」でハイレゾ関連の設定は、特にコンポーネントの仕様が様々な事とバージョン及びDACとの組み合わせなど、設定者側にも知見やスキルを要求する場面が多々あり、高機能であっても設定が難しい側面が存在します。当然メーカーの様な問い合せ窓口や動作保証もありません。
*コミュニティは存在します。
 とにかく安心・簡単である事を優先する場合は「Audirvana Studio(2021年5月よりサブスク化・月払い/年払い)」あるいは「JRiver Media Center(一般的なライセンス買い切り型)」、系統は異なりますがROON等の有償ソフトウエアの導入検討や、コルグのMu1の様に「メーカー提供の優秀なサウンドプレーヤ(AudioGate)」が利用できる場合もあります。

 それらを前提としますが、上手に設定できると「無償」で「高機能な環境」を「誰でも」手に入れられます。この記事を読んでハイレゾ環境構築にチャレンジしましょう。

  1. foober2000のインストールと日本語化方法(Windows版)
  2. ハイレゾ環境に必要なコンポーネントと5つのヒント!

ダウンロードとインストール方法

これ以降の説明は「Windows10」環境での設定です。
「Foober2000」はオフィシャルサイトからダウンロード可能です。
https://www.foobar2000.org/  (多くの技術情報の出典元)

ここでは「foobar2000_v1.6.6.exe」を実行しセットアップを実施します。
*最新バージョンを新規にインストールするか、過去のバージョンをバージョンアップして最新版での運用をお勧めします。

foober2000本体のダウンロードした圧縮データを解凍し、インストール画面に沿って設定を進めます

1.「Welcome to foober2000 Setup」画面は[Next]ボタンで進みます。
2.「License Agreement」は承認[I Agree]ボタンで進みます。
3.「Install Type」画面では[Standrd Installation]を選択します。
4.「Install Location」画面では、インストール先の階層[ここでは D:\Program Folder(x86)\foober2000]を選択します。
5.「Choice Conpornents」画面ではそのままで[Install]ボタンでインストールを開始します。
6.「Completiog」画面でインストール終了です。
*設定画面は最新のバージョンを参照してください。

foober2000の情報サイト、日本語化パッチサイト

Foober2000 Wiki for Japanese User サイトでfoober2000本体と日本語化の設定情報が参照できます。
インストール・日本語化 - foobar2000 Wiki (xrea.jp)

「日本語化パッチファイル」のダウンロードは、non existent サイトからダウンロードします。
non existent - 日本語化 (xrea.jp)

日本語化と注意事項

  1. 日本後化を行っても、メニュー・コンテキストメニュー等の日本語化は行えませんが、設定画面等は日本語化されます。
  2. foober2000本体のバージョンと日本語化パッチのバージョン差が発生する場合がありますが、日本語化の開発スピードは速いと思います。同一バージョン番号が出るまでは、英語バージョンで利用しましょう。

ヒント!01:日本語化パッチは適用をお勧めします。多くのコンポーネントや、ハイレゾの詳細設定も複数あります。少しでもイージーミスを回避する為に有用です。なお、「コンポーネント」ごとに日本語化が提供される場合がありますので、提供サイト情報をご確認ください。

日本語化パッチの設定方法

 サイトからダウンロードし解凍したデータの実行ファイル(foober2000 v*.*.*_JP.exe)を起動します。

*注意:インストール前に、日本語化パッチのバージョンが基のバージョンと同じか確認して下さい。(この例では、v1.6.6)

1.アップデータを起動し、「はい(Y)」ボタンで次に進みます。
2.「差分適用フォルダ入力」画面では、必ず現在のインストールフォルダを指定してください。

今回の例でのインストールフォルダは「 D:\Program Folder(x86)\foober2000]でしたので、この様にデフォルトから変更した場合には、特に注意しましょう。
*インストール先が異なる場合はエラーとなります。

foober2000の初期設定とハイレゾ設定方法

 foober2000のインストール前に、DACのUSB接続を終わらせておきます。
OS(Windows・MAC・モバイル系)毎に、メーカー指定の設定方法が異なる場合がありますので注意します。

DACドライバ設定とUSB接続を先に終わらせる

 今回は「ifi ZenDAC V2」のDACドライバをメーカーサイトからダウンロードし、インストールを行いました。他のDACも基本的にはメーカーサイト等で提供されるドライバを設定します。

  1. OSに対応するDACドライバをインストールし、正常性の確認を行う。
  2. 出来るだけ最新のドライバやファームウエアを適用する。
  3. メーカー提供のASIOドライバが無い場合は、「ASIO4ALL」等の汎用ドライバの代用も検討する(Windows-OSの場合)。

ifi ZenDac V2のUSBドライバのコントロール画面
・Format:Outputを32bitsに設定します。
・Buffer Settings:USBセッティングモードとASIOバッファーサイズの設定ができます。レイテンシの設定もプルダウンから選択します。


ヒント!02:ファームウエアはDAC本体の基本動作・機能が定義された組み込みソフトです。機能拡張・修正等がファームウエアバージョンアップで実現できる機器は、ユーザー自身がバージョンアップを行う事で最新機能が利用できます。

ヒント!03:Windowsにおける「ASIO」や、MAC-OSの「Core Audio」以外のメーカー提供のサウンドドライをインストールするケースがあります。メーカー製ネイティブドライバの提供以外に、拡張機能や操作性(UI)の改善提供であったりしますが、複数のオーディオインターフェースやDACの接続が出来ない場合がありますので注意しましょう。

foober2000の起動と初期画面設定

最初の起動後、画面のレイアウトの設定(後から変更可能)をします。

 メニューバーの「View」配下の「Layout」から「Quick setup」を選択すると、「Quick Appearance Setup」を表示できますので、左側の「Main Layout」からお気に入りのレイアウトを選択します。
 なお、レイアウトはカスタマイズや変更も可能です。

 レイアウトを設定後、音出し検証を行う場合は、MP3音源等をウィンドウ内にドラックするとセットできます。
この段階では「DSD」音源等の再生は出来ませんので、ハイレゾ音源以外を選択して動作確認を行います。

ヒント!04:「Columns UI」 を導入することで、標準のUI(ユーザーインターフェース=パネル、プレイリストビュー画面など)から拡張した「UI extension」を利用出来ます。様々な機能が実装出来ますが、エクステンション毎に設定が必要です。*別記事紹介

ハイレゾ環境に必要なコンポーネントと3つの注意点 

 今回は「ZEN DAC V2」の再生可能フォーマットが動作するコンポーネントを前提に設定します。音源サイトで入手可能なフォーマットは網羅していますが、未対応の高い周波数のダウンフォーマット変換も設定により可能です。

  1. PCM 44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz、DXD 352.8/384kHz
  2. DSD 2.8/3.1/5.6/6.2/11.2/12.4MHz
  3. MQA(フルデコード対応、レンダラー対応)

Step 1: 追加コンポーネントのダウンロード

基本的には最新の正規版をダウンロードしましょう。

 foober2000でASIO出力を可能にするコンポーネント。
*foobar2000公式サイト「Components」タブよりダウンロード。
ASIO support 2.1.2(foo_out_asio) released on 2012-06-06
foobar2000 で ASIO 出力を可能にします。
 Super Audio CD Decoder-1.3.6 DSDの再生を可能にするコンポーネント。
*「sourceforge.net」よりダウンロード。
Super Audio CD Decoder released on 2021-05-19
 (foo_input_sacd-1.3.6)
DSD Processor (foo_dsd_processor.fb2k-component)
 (foo_input_sacd-1.3.6 から解凍展開)
 SRC Resampler DSP リサンプルを可能にするコンポーネント。
*「foobar.hyv.fi」よりダウンロード。
SRC Resampler DSP
 (dsp_src_resampler.fb2k-component)
*リサンプラーは「ダウンサンプリング」と「アップサンプリング」が存在しますが、ここではDACで再生できない高い周波数をリサンプリングで再生可能にする事を目的とします。なお同様のコンポーネントが複数ありますが設定情報は割愛します。

Step 2: インストール

 ダウンロードした「****・dll」実行ファイルは、ダブルクリックでインストーラーが自動起動しますが、解凍後にfoober2000の「Conpornents」画面の「インストール」ボタンで対象のデータをインストールする事も可能です。

 圧縮ファイル内の実行ファイル(.exe など)の起動時に、解凍を促すコメントが表示された場合は解凍処理を実行します。インストールプロセスでfoober2000のコンポーネント画面が立ち上がる場合は、引き続き処理を行います。

①「Conpornent instaler」ウインドウで「はい(Y)」ボタンを実行する。
②のインストールされたコンポーネントのロードを確定する為、③の「適用」ボタンを押し、foober2000の再起動を実行する。

 コンポーネントをインストール後に、メイン画面の「File」から「Prefarence」を選択し、設定を実行します。
 左ペインの「Playback」の「Output」設定画面を選択し、出力デバイスのプルダウンメニューから「ASIO:DSD Transcoder(DoP/Native)」を選択すると「DSD」の再生が可能となります。
引き続き「Tools」の「SACD」設定画面でOutput Modeを「DSD」、DSD Processorを「DSD Processor」に設定します。
 なお、Output Modeを「PCM」の場合はPCMフォーマットで、Dop for Converterにチェックを入れるとDoP出力となります。

 実際のDSD256の再生画面です。再生音源の詳細が表示されますので、リアルタイムで確認が可能です。

ヒント!05:foober2000は、現時点(2021年6月)でMQAレンダラーを動作させる為の「コアデコード」機能は実装されていません。フルデコードに対応した機器(ZenDacV2等ではコアデコードも内部的に処理される為、機能的に必要ありませんが、レンダラーとしても動作します)では全てのMQA動作が可能です。*別記事参照

foober2000とハイレゾ再生のまとめ

  1. foober2000は高機能・高性能で、次々に開発される「コンポーネント」による柔軟な機能拡張が魅力な無償ソフトウエアですが、設定方法などに若干専門性を要求します。情報サイト等で正しい構成で設定できれば、誰でも高機能を手に入れられます。
  2. ZenDacV2 の様に、コストバリューな「DSD256」「MQAフルデコード対応」のDAC・ポタアンが増加しており、「Audirvana Studio」などソフトウエア処理でコアデコード処理を行う必要性が急速に低下しています。ハードウエア処理はPCに負荷も掛からないメリットも大きいと考えらえます。最新機器の導入で素敵なHiRez音源を楽しみましょう。
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