JBL Sound Project!(その1)ネットワーク構成と外部ユニット化

スピーカーの音に影響を及ぼす要素は多々あるが、内臓ネットワークの影響はどうなの?色々実験してみたいよね。
何ならチャンネルデバイダーを導入したら理想的な環境と音になるのか?

4344MKⅡのスピーカーバインディングポスト

2系統(High、Low)のスピーカバインディングポストは、チャンネルディバイダーを併用したバイアンプドライブやバイワイヤリング接続にも対応しています(スイッチで選択)。また、画像ではカバーの内部で見えませんが9Vの006P電池を装着しています。

2つのネットワーク独立基盤

画像の中低域以上用(ツイーター・スコーカー・ミッドバス)のネットワーク回路には、コンデンサにバイアスを加えた上でAクラス動作させるチャージカップルド・リニアディフィニション・ネットワークを採用しており、ゼロクロス歪の発生を排除してます。

ネットワーク部は、この画像の低音域用(ウーファー)と上記画像の中低音域以上用に分離した独立基板を採用しており帯域間の干渉を防いでいます。

チャージカップルド・リニアディフィニション・ネットワーク

 この9Vの電池からコンデンサーにDCバイアスを加えることで非線形ひずみを排除する「チャージカップルド・リニアディフィニション・ネットワーク」は、JBL4348・Project K2 S9900・S5800・S5500・4425等も採用しています。設計者はグレッグ・ティンバース氏で、天才的な技術者としてご存のことでしょう。
 Project EVEREST DD66000以降では、入力信号の一部を整流しバイアスとして供給することでバイアス用バッテリーを不要とした「セルフバイアス方式」を新採用しています。これにより電池自体のメンテナンスを不要としています。

4344MKⅡのHIGH FREQUENCY SECTIONネットワークダイヤグラム

Technical Manual
JBL Consumer Products, Inc. 250 Crossways Park Dr., Woodbury, New York 11797 Rev 2 8/2002 (参照文書)

 なおスピーカー正面には、中低域、中高域、高域の各ユニットの出力音圧レベルを調整できるアッテネーターボリュームがありますが、ガリが出やすい為、接点回復のメンテナンスも必要です。

内臓ネットワークの取り出しとスピコン接続への変更

ネットワークへのアクセスの容易さや、複数のスピーカーとアンプとの接続方法の効率化を検討する中で、内臓ネットワークをエンクロージャーから取り出し外部ユニット化する事にしました。

外部ユニット化の運用コンセプトは下記の通りです。
1.既存の接続形態(バイアンプ・バイケーブル)は維持しながら、4ウエイスピーカー個々への接続は任意に継承できる様にする。
2.チャンデバ等からのアンプ出力を、4ウエイ個々に任意に可能とする。
なお、これに伴いスピーカの接続は”スピコン”を導入しています。
(バインディングポストは廃止または利用しない)

内臓ネットワークの取り出し

まずは、内部のネットワーク基盤(HIGH/LOW)とバッフル前面のアッテネッターを取り出し、電気的な正常性をチェックします。

スピコンの取り付け

ネットワーク基盤を取り外した場所に、新たなスピコン端子版を作成し取り付けます。また、各4つのスピーカーからスピコンまでのケーブルを新たに配線しています。

スピコンはNEUTRIKの”NL4MP-ST"で、MIDDLE ATLANTICの”UNIV4コネクターパネル"に組み付けてMDF板に取り付けています。このNL4MPは、ケーブル固定が締め付けネジで行える事が特徴で、後日のケーブル変更等に柔軟に対応可能です。

MDFの表面は”ブルー”に塗っていますが、これはJBLブルーを模しています。なお、外側に塩ビシートを重ねていますが、隙間の気密性向上の為です。

 

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