腕時計の電池交換 裏蓋開け方と時計ツールの使い方

  「久しぶりに腕時計を使おうと思ったら電池切れだった・・」誰でも経験がありませんか?
高級腕時計は時計屋さんにお願いしたいところですが、比較的リーズナブルなカジュアル時計などの電池交換を、自分で出来ればコストも含め魅力的です。
但し実際にやってみるといくつか注意すべき点もあります。それらも含め電池交換手順について
ご紹介いたします。

  1. 4機種の裏蓋外しと特徴が理解できます。
  2. 有ると便利な時計ツールの活用方法
  3. 注意すべき点

腕時計の構造は機種ごとに異なる!

 今回、4本(3メーカー)の腕時計の電池交換を行いました。機種ごとに構造が異なるのは当然ですが、同一メーカーの同じムーブメントでも部品構成や取り付け方法が異なるケースがあります。

今回電池交換を実施した腕時計(左から)
・カシオ:Baby-G BGX-111
・FOSSIL:ES-9873
・FOSSIL:ES-???
・J-AXIS:iXa
いづれも経年経過で電池切れ・停止した「カジュアルウオッチ」です。


*高気圧防水・電波・ソーラー式など専門知識が必要な場合や「高額時計」の場合は、時計屋さんに依頼しましょう。
*交換用の電池はメーカーは異なっても同一商品(同規格型番)を購入します。ボタン電池のサイズは勿論、異なる電圧や間違った極性で利用すると、故障などの原因となります。

最初に電池型番を調べる

最初に利用している電池の型番調べと発注をしますが、WEBなどの「電池の種類」情報は曖昧な場合があります。必ず裏蓋を開き電池を取り出して「型番」確認しましょう。

内蔵されていた4種類のボタン電池
①CR2016:3V
②CR1616:3V
③SR621SW:1.55V 
④SR527SW:1.55V
サイズや電圧、実装個数・組み合わせをしっかりと把握します。

リチウムボタン電池
LiCB CR1616・CR2016 その他リチウムボタン電池

あれば便利な工具

 時計独自の精密規格・仕様などにスムースに対応できる「工具」や、細かな作業を拡大できる(大きく見える)仕組みを活用できると便利です。
 時計の裏蓋の開口方法は、主に「ネジ締め式」「スクリューバック・ねじ込み式」「はめ込み式」の3つに分類できると思いますが、一体式構造の場合は一般的な工具では開口が難しい場合があります。

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☆時計用の精密ツールは裏蓋開口+ベルト外しに必須の場合がある

①ボタン電池をショートさせずに掴む為に必須のプラスチックピンセットです。
②ベルトピン外しに使うピンツールです。
③ドライバーサイズを差し替えて使える精密ドライバーです。
④一般的な精密ドライバーセットでは、時計用のマイナスの0.8фから1.2фの極小サイズは含まれない事もあります。
⑤こじ開け式のオープナーです。
⑥時計を固定し、バックケースオーブナーでの開閉をサポートするツールです。
★ツールが無いと裏蓋開閉が難しい機種も存在すると思います。
★時計に依っては特殊工具が必要な機種も存在します。難しいと判断した場合は、専門家(時計屋さん)に依頼しましょう。

実際の作業開始

 今回、4本(3メーカー)の腕時計の電池交換を行いました。機種ごとに構造が異なるのは当然でしょうが、同一メーカーの同じムーブメントでも部品構成や取り付け方法が異なるケースがあります。

1.まず最初は、裏蓋をはずしましょう。

 裏蓋構造により取り外し方は様々です。今回のFOSSIL・Baby-Gは、いづれも裏蓋以前にバンドを外す必要がありました。
①ブラスネジの場合は、精密ドライバーで簡単に開閉可能です。時計用のドライバーがあればネジ山にもフィットするサイズが選択できます。
②溝サイズに調整可能な「裏蓋オープナー」で開閉する場合は、この専用ツールの有り無しで開閉難易度が大きく変わります。防水制度の高い機種に多く採用されています。
③こじ開け式の裏蓋用のオープナーも、ドライバーなどの作業に比べ、比較的安心して開閉可能でした。
★気密用のパッキンが本体との間に装着されている機種が多いため、裏蓋外しでは注意します。必要に応じて劣化防止やパッキンの刷新が必要な場合があります。

2.必要電池の数と型番(サイズ)

取り付けられている「電池型番」と「数」
①裏蓋取り外し後に、最初のボタン電池が装着されています。
②最初のボタン電池を取り外すと、さらに2番目のボタン電池がある機種があります。
★このタイプは「液晶デザイン」駆動用と、本来の時計駆動用に分けた構造で、異なるサイズの大きい方が「液晶駆動用電池」でした。

3.電池交換の手順概要

裏蓋を外す為にベルト外しが必要な機種
①最初にベルトを外し、裏蓋にアクセス可能にします。
②裏蓋外し後、最初に写真を撮り「元の状態」を記録しましょう。
③この機種では「同じボタン電池」が「2か所」に取り付けられています。
★新品の電池を「ショート」に注意して取り付けます。正常に動作すれば裏蓋とベルトを戻して終了です。

☆実際に使ったその他のツール

USB顕微鏡や拡大ルーペ
・定番のルーペも良いのですが、両手が自由に使える様にする必要があります。
・低価格のUSB顕微鏡でコンピューターのディスプレイを活用すると、作業性が大きく改善します。
★細かな部品やネジ・バネ等で構成されています。取り外し時の紛失にはご注意ください。

腕時計電池交換 まとめ

1.時計屋さんなどの専門店で「電池交換」をお願いすると、それなりの料金が掛かります。交換電池や工具が格安で手に入れられると、コスト的にもDIYの意味が高まります。
2.時計構造は複雑ですので、裏蓋を開けた時点での「写真残し」を推奨します。特に上下・左右・取付位置などが不明になると、基に戻らないケースも想定されますので、電池交換はあくまで個人責任でお願いします。
3.電池交換後にリセット操作が必要なケースがあります。機器の取説などでチェックをお願いします。
4.カジュアル時計で1ボタン電池のみの機種が手始めには良いと思います。くれぐれも高級時計はリスクを考えると専門店に依頼する事をお勧めします。

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