インテルCPUの世代を確認する
今回アップグレード対象PCのCPUの世代スペックは下記のとおりです。
「NEC PC-LL770HS」 第3世代Core™ i7-3610Qm
「NEC PC-VN770ES」 第2世代Core™ i5-2410M
*世代の確認例:インテル® Core™プロセッサー i7-3610Qm プロセッサーは、i7 より後に番号 3が表示されているため、第3世代です。
*Intelは「Tick Tock」モデルでCPU開発投入を実施しており「Tick」で半導体製造プロセス技術、「Tock」でCPUマイクロアーキテクチャを更新します。“Tick”と“Tock”(Tick Tockは秒針の進む音を表す)をCPU世代で交互に計画化し、性能アップを実現していました。
*CPUのコード名は、ディスクトップ用・Note用等で型番や附番が異なる場合があります。また報道等で発表された「発表日・発売日」を参照していますので、実際との差異がある場合があります。
CPUの世代 | 開発コード名・モデル名 | 製造プロセス・特徴 | 発売日(発表日) |
第11世代 | Tiger Lake | 10nm SuperFinテクノロジー、CPUマイクロアーキテクチャー「Willow Cove」、GPUコア「Xe-LP」 | 2020年9月3日 |
第10世代 | Comet Lake | 14nm・10コアのCore i9ブランド | 2020年04月20日 |
第9世代 | Coffee Lake | 14nm++・Coffee Lake Refresh | 2018年10月20日 |
第8世代 | Coffee Lake | 14nm++ | 2017年11月2日 |
第7世代 | Kaby Lake | 14nm・ K付モデルのさらなる高速化、GPU・4K HEVC 10bitやVP9等4K動画コーデック対応等、さらなる省エネ化 | 2017年1月6日 |
第6世代 | Skylake | 14nm・CPU&GPU性能アップ、消費電力低減モバイル向けSkylakeの登場 | 2015年9月2日 |
第5世代 | Broadwell | 14nm・CPU&GPU性能アップ、消費電力低減 | 2015年6月18日 |
第4世代 | Haswell・Tockモデル Haswell Refresh | 22nm・8命令同時発行・4整数演算の並列実行、消費電力低減、GPU強化等 | 2013年6月2日 |
第3世代 | Ivy Bridge・Tickモデル | 22nm・内蔵GPU機能のパワーアップ | 2012年4月24日 |
第2世代 | Sandy Bridge | 32nm・SIMD拡張命令「AVX」が追加 | 2011年1月9日 |
Windows10が快適に動く為のCPU世代スペックは?
インテルのCPU世代ごとの稼働OSを確認すると、第7世代(Kabylake:2017年1月6日発売)からはWindows10のみが動作可能となっており、「快適」と言うキーワードで考えるとこれが1つの分岐点と言えるかもしれません。
逆に第2世代(Sandy Bridge)を含むそれ以前のCPUは、インテルサイト情報ではWindows10ドライバ(32Bit・64Bitとも)が対応しない事になっています。
今回対象の2台のPCのCPUは第2世代(Core™ i5)・第3世代(Core™ i7)であり、Windows10が動作できる閾値的な(これより番号の大きな世代だったら大丈夫的な)CPU評価となりそうです。
メモリは両機とも8GB実装すみですが、ノートPC(NEC PC-LL770HS)のみSSDに換装し、一体型機はHDDのままでアップグレードを実行します。
既存環境のバックアップ
まず、外付けのUSBハードディスクドライブに既存環境を丸ごとバックアップ(クローン)します。
↓外付けUSBHDDドライブ
●いろいろなバックアップ方法
OS標準のバックアップ機能やサードパーティーのバックアップソフト、購入したSSD等に付属するソフトや無償のフリーソフト等でバックアップは可能ですが、今回は下記のソフトウエアで処理を行いました。
メーカ:AOMEI Technology(AOMEI PTE LTD)
商品名:AOMEI Backupper Standard(フリーソフトで利用可能な範囲で)
*バックアップ等の詳細は別記事で紹介しています。
●今回利用した機能:クローン
*システムをまるまるクローンする場合は「システムクローン(これは有償です)」を選択する必要がありそうですが、「ディスククローン」で問題なくクローニングできます。
今回は一体型PCで内蔵HDDのクローン(Windows7環境)を作成し、そのHDDを組み込んでアップグレードを実施しています。
*無料で使える機能範囲に注意:サーバーOS等やファイルフォーマット等に注意必要
リカバリーエリアとリカバリーメディア
多くのメーカー製PCの場合、ストレージ領域に独自の復旧エリアの提供や、リカバリーメディア(DVD・ブルーレイ等)の作成が可能となっており、さらに別売りの復旧用のメディア販売サービスがある場合もあります。
今回のノートPCでも、リカバリーメディアからWindows7環境を復旧したのちに、Windows10アップグレードを実施しています。
SSD換装
今回は、以前購入したWindows10ノート(マウスコンピュータ)に新たに1TBSSDを導入し、それまでの500GBSSDをNECノートPCのHDDと換装します。
Windows10のアップグレードインストール
ここまで準備が整ったところで、アップグレードを実行します。
- マイクロソフトのサイトから、アップグレードモジュールをダウンロードします。Windows 10 のダウンロード (microsoft.com)
「ツール」をダウンロードして、インストールメディアを作成することもできます。 - 実行すると、以降はプロセス案内にしたがってインストールを進めます。問題がある場合は表示されますので、ご確認ください。
- おおよそ1時間前後(私の場合)で作業は終了します。(LAN回線の速度やPCのスペックにも依る)
- 正常に立ち上がり初期設定が終了したら、ウイルス対策等は早めに実施しましょう。また、必要なソフトウエアのインストールやメール・WEB環境の設定行い利用環境を整えます。
アップグレード後の性能評価、画像処理も出来てます!
アップグレード後の性能評価を「WINSAT」で実施しました。
機種 | NEC PC-LL770HS ノートPC | NEC PC-VN770ES 一体型PC | m-Book K700SN 新しいWindows10PC |
CPU | i7-3610Qm | i5-2410M | Core i7-9750H |
メモリ | 8GB | 8GB | 32GB |
記憶領域 c: | SSD 500GB | 1TBHDD | D.2 256GB |
CPUScore | 8.9 | 8.3 | 9.1 |
DiskScore | 7.8 | 5.9 | 8.05 |
GraphicsScore | 6.7 | 6.1 | 8 |
MemoryScore | 8.9 | 8.3 | 9.1 |
WinSPRLevel | 6.7 | 5.9 | 8 |
OSログイン画面 | 約13秒 | 約60秒 | 約12.5秒 |
Photoshop起動 | 約8秒 | 約8秒 | 約8秒 |
今回の2機種はWindows10移行後のデバイスエラーも無く動作しています。
SSDを実装したノートPCは起動時も最新PCと遜色なく、体感的にもっさりした感じもありません。勿論Photoshop等で連続した加工処理等を実行すると、メモリの制限で問題が発生するケースがありますが、このサイトの作成や画像処理も普通に行えています。
また一体型のHDDのPCは、やはり「DiskScore」の数値の通り起動時間も長いのですが、CPUがi5である事も影響します。但し、一旦立ち上ってしまえはOfficeやメール作業のレベルであれば普通に利用可能です。
Win10アップグレードはこれが重要、1万円で出来たのか!
1万円以上かけるなら、新品を検討しましょう!!
旧機をアップグレードする場合は、コスト上限を決める事が重要。経年=故障リスクも増加
*SSDの価格ですが2020年12月時点の「価格.com」の情報です。
860 EVO MZ-76E500B/IT 最安価格(税込):¥6,780SSDとメモリ8GBは必須
SSDの快適感は絶対必要です。また、メモリ8GBも必須と考えましょう。
- もしリユース品を購入するならこれが重要。
CPUが第7世代以降はWindows10専用です。また画像処理等を考えるなら「Core i7」以上のCPUをお勧めします。勿論GPUも影響しますが、動画やゲーム用途でなければ必須ではありません。
*今回はインテル製のノートに寄せた内容になっています。他CPUやディスクトップ・タワー型PCでは若干評価が異なる場合があります。