WordPressレンタルサーバーの簡単移行方法【X-Server】

 X-Serverの申し込みから初期設定と移行方法のポイントを中心に解説します。
最新の情報に更新されている可能性がありますので、必ずメーカーサイトでも手順・案内をご確認ください。

この記事を読むと、次の事が理解できます。

  1. レンタルサーバー移行準備と移行元のサーバー処理
  2. X-Server の簡単移行方法を理解できる
  3. 移行で注意すべき15項目

 

レンタルサーバーの移行方法と15の注意点

 今回移行先に選んだレンタルサーバーは「X-Server」です。選定理由はやはり有名なブロガーさんのサイトが多い事と、高速な速度評価が何年も継続している事、及び低価格が決め手となりました。
 今回ドメイン管理会社は「お名前.com」のまま変更していませんので、レンタルサーバをドメイン管理会社と異なるサーバーに移行するケースとして参考にして下さい。

今回の「WordPress簡単移行」での処理は、移行元サイトデータの下記の個別の復旧(リストア)プロセスは必要ありません。初心者の方でも手順通りに実施する事で新サーバーに移行可能です。

  • WordPressサイトデータ・画像データのバックアップデータの新サーバーへのリストア処理
  • 新サーバーでのDB作成とバックアップからのDBリストア処理

なお、バックアップ処理自体はリスク対策として実施されることをお勧めします

移行元レンタルサーバー環境の再確認と事前バックアップの取得

 まず、現在のサイトの運転状況を確認します。また複数ドメインを運用している場合は、対象のドメイン・レンタルサーバーデータを確認します。

  1. リソースの利用状況:ドメインのサイト情報、レンタルサーバーのストレージ使用容量等(大容量のサイトの場合には、新サーバー側の移行要件の確認が必要)
  2. バージョン情報:Wordpress,MySQL,PHP等(それぞれのバージョンが、新サーバー側の移行要件範囲であるか確認が必要)

・共有サーバーSDコントロール画面から、設定情報の詳細が確認できます。
・「phpMyAdmin」が標準環境では利用出来ません(手動で組み込む事は可能です)
・DBバックアップを取得する場合、プラグインを導入する事でも可能です。

FTPクライアント(今回はWindows10で設定)の「FFFTP(フリーソフト)」を利用して、データのバックアップを実施します。

「FFFTP:Windows」「FileZilla:MAC」でファイル管理をする

注意1:お名前.comの「phpMyAdmin」が未設定の場合は、DBバックアップが個別にできない。(「WordPress簡単移行」目的での実施は必要ありません)
注意2:FTPクライアントで大量のデータの受信(ローカルクライアントにデータをダウンロードする場合等)が出来ない場合がある。

移行先のレンタルサーバーの申し込み

X-Serverの申し込みはキャンペーンを利用しましょう。

X-Serverは、お得なキャンペーンを定期的に開催しています。
特に「永久無料ドメイン」や「初期費用0円」、「設定代行サービス0円キャンペーン」は今回は期間限定で開催され、サーバーレスポンスを確認できる「テストサイト」の提供や「全16種類のドメインをすべて1年間無料」等の特典もあります。
これから新規にレンタルサーバーを申し込む場合は、折角の特典ですので、ぜひ権利を手に入れましょう。

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今回は「X-Server」のX10プランに申し込みます。
但し、事前に移行検証をお試し期間中に行いたい場合は、下記のプロセスがお勧めです。

①お試し期間中に料金の払い込みがあると、お試し期間から本契約に自動で切り替わります。
②本契約に合わせ、DNSのサーバー名(アドレス)を、お名前.comからX-Server(ns01~ns05)に変更します。

注意3:新規のX-Serverの移行先ドメインメールはお試し期間中は利用できない。
注意4:メール受送信 移行予定のドメインのメールは、DNSが名前解決出来ずに、移行期間中利用できない場合がある為、その他のメールでも受送信できる工夫(転送設定等)が必要。

お名前.comのレンタルサーバー契約の解除手続き

 お名前.comサイトの「お名前.com Navi」にログインし、「レンタルサーバー」タブで契約中のサーバーの「プラン名」のリンクから解約設定が可能です。

・解約のタイミングは「翌月の末日」となりますので、解約まで最大で2か月弱の日数となります。この期間に新サーバーへの移行検証と正式な移行が完了すれば良いので、早めに解約処理をしてもOKです。(解約の取り消し処理も出来ます)
・「ドメイン」サービスは継続しますので、間違って解約しない様にしましょう。

また、オプションの迷惑メールフィルター等も解約を忘れずに行いましょう。

注意5:「お名前.comレンタルサーバー」の解約日は翌月末日が最短である。

移行事前準備

 今回はX-Serverで提供される「WordPress簡単移行」サービスを利用した移行処理ですので、手動で行うデータコンバート処理等はありません。
自サイトの移行予定のドメイン名を、X-serverに同名のドメインとして登録します。2つのレンタルサーバーに同じドメイン名が存在する事になりますが、現在のドメインに登録されているネームサーバーは「お名前.com」のサーバーが定義されていますので、X-serverのドメインはインターネット側では存在が隠されます。この後データ移行によりX-serverの準備が完了した段階で、ネームサーバーを書き換える事で、X-serverのドメイン運用が開始できます。
②現在自サイトが無料SSL設定(HTTPS://で始まる)で運用中の場合、X-Serverに移行後も「無料SSL」(有料のSSL設定も勿論可能です)を利用する為の「移行前処理」を、お名前.comの対象サイトに対して事前に行う必要があります

 

注意6:SSL設定 HTTPS化されたサイトを移転する場合、お名前ドットコム側(移行元)のWEBサイトにトークンを設置する。この処理により、移行後のX-Server側のSSLは移行元から継承される。(再設定は必要ない)

X-Serverの「簡単移行設定」手順

 まず、X-ServerのWEBサイトにログイン後、「サーバー管理」ボタンから「サーバーパネル」画面を表示します。

①サーバーパネルの「設定対象ドメイン」のプルダウンから対象ドメインを選択します。
②「Wordpress簡単移行」を選択しクリックします。

③「WordPress移行情報入力」タブを開き、「移行元URL」と最下段のURLを同じ階層(/wp)入力する。
*お名前.comのWordpressの初期階層は /wp です。
④移行元のユーザ名とパスワードを入力し、確認画面に進みます。
*異なる階層への移行も可能ですが、画像データの再登録やリンク再設定が必要な場合があります。

処理開始後、ステータスバーが表示され「データ移行完了(100%)」になれば終了です。

注意7:Wordpressの階層 特別な理由がなければインストール階層は同じにする
注意8:SSL設定 事前設定でSSL「トークン」の設定を終了している場合は、URLはhttpsで記述する。

X-Serverに移行したWEBサイトにネームサーバーを変更せずにアクセスする方法(データが正しく移行できたか事前に調べます)

 ここまでのプロセスで、X-Serverにサイトのコピーが作成された状態ですが、
ネームサーバーの記述を変更する前に移行したデータの正常性を確認し、問題点等の有無を確認をします。

「Hostsファイル」にドメイン名とサーバーアドレスを記入する。
「Hostsファイル」はネットワークをブラウズする場合に、DNSやその他のインターネット系の名前解決よりも優先して最初に処理されるリストとなります。つまり、Hostsに記載されたX-ServerのIPアドレスが、ブラウザに入力されたURLのドメイン名のIPとして処理されるため、ネームサーバーの変更に依らず閲覧可能となります。但し、これはコンピュータ毎に設定する必要がありますので、事前にチェックするPCの「Hosts」ファイルで記述が必要です。
*WindowsとMAC用の詳細設定はX-Serverの取説をご覧ください。

①ファイルの場所
Windows=C:\WINDOWS\system32\drivers\etc\hosts
MAC=/etc/hosts/
②最終行に記述(先頭の#は不要)
IPアドレス ドメイン名

注意9:Hosts設定 確認作業が終了後、記述を戻すか#でコメントアウトする。

ドメイン名のURLでWorsPressが表示出来る様に変更する

ここまでで「WP」階層に移行が完了し、移行先のX-Serverにアクセスできますが、URLをドメイン名のみで開ける様に設定変更します。

このURLでX-server側のWordpressに接続できる。

1.X-Server(移行先)のWordpressのダッシュボードの「設定」項目を開く

移行先階層は下記の場合の例:
http://nantara.com/wp

「サイトアドレス」の「wp」記述のみ削除する。

2.FTP(FFFTP等)接続で対象のドメインに接続する。
X-Serverの実際の階層は下記の通り /nantara.com/public_html/wp

①この「wp」階層の2つのファイルをダウンロードする。
.htaccess
index.php
*ダウンロードフォルダはローカルPCに事前に作成
②下記の要領でダウンロードしたテキスト「index.php」を編集する。
③「wp」の1つ上の階層
/nantara.com/public_html
に2つのデータをアップする。

「index.php」ファイルは編集しますが「.htaccess」は編集しません。

ダウンロードしたテキスト「index.php」の編集箇所

'/wp-blog-header.php';
   ↓
'/wp/wp-blog-header.php';
と「/wp」を先頭に追記して保存する。
なお、データを「public_html」にアップする前に、初期に存在する「default_page.png 」と 「index.html」は名前を変更する(.backと追記するなど)

注意10:2つのファイルのダウンロード元階層とアップロード階層が異なる

移行の前提条件、その他の注意点

注意11:動作要件(移行可能な条件の確認)

  • WordPressのバージョンが 4.2 ~ 5.6 であること
  • PHPのバージョンが5.3以上であること
  • 移行元のWordPressが以下に当てはまる場合、エラーとなります。
    • マルチサイト機能を使用している場合
    • データベースの容量が2GBを超えている場合
    • WordPress.comからの移行である場合
    • 「PHPからtar、zipコマンドのいずれも利用不可」かつ「PHPのzipモジュールが利用不可」の場合

注意12:設定が移行されるデータ

  • /wp-content フォルダに設置されているデータ
    (アップロードした画像ファイルやプラグイン・テーマファイル等)
  • データベース内のデータ(記事データや各種設定)

注意13:設定が移行されないデータ

  • 移転元に設置されている「.htaccess」ファイル
  • /wp-content フォルダに設置されているデータのうち、バックアップ関連プラグインによって生成されたデータ
  • /wp-content 以外に設置されているデータやプラグイン設定(※)
  • WordPressの本体構造を変更している場合(※)

注意14:パーマリンク設定が必要な場合

記事データへアクセスしようとすると『404エラー』が発生する場合、下記手順でパーマリンク設定を行ってください。パーマリンクの設定手順

  1. ダッシュボードへログインしてください
  2. 左側メニューの「設定」より「パーマリンク設定」をクリックしてください
  3. 設定内容は変更せずに画面下部の「変更を保存」ボタンをクリックしてください
  4. WordPressへ再度アクセスし、投稿されている記事をクリックした際の挙動をご確認ください

X-Server移行モジュールがインストール&削除されない場合

 X-serverの「簡単移行設定」の初期プロセスで、移行元のWordpressのプラグインに「Xserver Migrator」が自動で設定・有効化されるのですが、正常にインストール(終了時に削除)されない場合があります。

移行プロセスが開始しない場合には確認してみましょう。

注意15:プラグイン確認と有効化が必要な場合がある。

ADSファイルが移行されない場合の設定方法

グーグルのAdSense 向けの「 ads.txt」が何らかの理由で移行されない場合は、移行前Wordpressからコピー等で直接移行します。

X-Serverの「ファイルマネージャ」で確認すると「ads.txt」の有無を簡単に調べられます。
(FFFTPでもOK)
配置場所は「Nantara.com /public_html」階層です。

ドメインのネームサーバーアドレスをX-Serverに変更する

X-serverへの移行が正常に終了したら、いよいよ本稼働の手続きを行います。

 今までの「お名前.com」の管理サイトにアクセスし、メニューバーの「ドメイン」をクリックします。
現在運用されているドメイン一覧が表示されますが、今回対象のドメイン名の「ネームサーバー」の詳細文字(画面では’その他’)をクリックします。

「ネームサーバーの選択」ページが表示されるので、「その他」のタブを開きます。
左の画面の通り、空欄の「ネームサーバー」の3つの欄と、一番下の「+」を押すことで合計5つ欄に「X-Server」のサーバー名を記入します。

左記のX-Serverのネームサーバーを記入後、右下の「確認」ボタンで確定します。実際のネームサーバーのDNSへの反映には、12時間程度掛かります。

以上で一連のレンタルサーバーの移行処理は終了です。
お疲れ様でした。快適なBlog・WEBライフをお楽しみください。


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