DTM 収録機器配線ノウハウ

DTMで収録に必要な機器とコネクタ・ケーブルについて、必要なノウハウまとめ記事です。

  1. DTMで必要な機器間の接続
  2. コネクタ規格
  3. 配線ノウハウ(束ね・識別・記録配線図)
  4. 配線まとめ

楽器別の音声の取り込み

アコースティック楽器

 アナログ楽器の収録では、必ずマイク(種類は様々ですが)が必須となります。各楽器(ボーカルなども)毎に最適なマイクと収音方法が存在します。一般的にコンデンサーマイクでは電力の供給が必要ですが、多くのオーディオインターフェースでは48V給電が可能です。

エレクトリックギター・ベースギター

 エレキギター・ベースなどは、接続したアンプのスピーカーからのマイク収録以外に「エフェクター(プリアンプ)」「ヘッドアンプ」「アンプのDI」等からライン録りするケースも多く、より柔軟なミキシングを可能とします。

エレクトリックモジュール等

 基本的にエレキ楽器の音声出力は、PA(SR)やモニタースピーカーを利用します。DTM(宅録)でも同様ですが楽器本体からの音が出ない為(電子ドラムなどの打楽器系は大きな振動がでる場合があります)、ヘッドフォンなどを活用し周りに気兼ねしないサウンドメイクが可能です。何れにしてもDTM用の「オーディオインターフェース」や「ミキサー」などのライン経由の音声取り込みが必要となります。

コネクタ規格と接続

 多くのDTM・音響機器で標準的に利用されるコネクタ

 XLRの標準コネクタは「送り出し側機器=オス、受け側がメス」となっており、他のコネクタの多くが「機器側がメス、ケーブル両端がオス」構造であるのとは異なります。依ってXLRはケーブルの延長接続も簡単にでき、長く引き回してもバランス構造のメリットでノイズにも強く信頼性が高いと言えます。

XLR(キャノン):平衡コネクタは構造上バランス伝送・ノイズ対策・延長性・ロック機構等の特徴がある。
TRS Phone :フォンタイプの3極(平衡)プラグ(ステレオ伝送も可能)で、標準とミニプラグがある。
Phone   :フォンタイプの2極(モノラル)プラグで、 標準とミニプラグがある 。
Pin(RCA)  :ピンタイプの 2極(モノラル)コネクタ。オーディオ機器等では標準的に利用される。
USB    :TypeA・B・Cとmini端子などが存在し、規格と機能がバージョンで異なるケースもあり注意が必要。
MIDI  :電子楽器間のデジタルインタフェースであり、機器の連携を実現する。

変換コネクタを活用しよう

 ケーブル両端のコネクタ形状・規格が異なる機器の接続では、変換コネクタを利用する事で相互接続が可能です。但し「規格・仕様が異なる」ケース等では、性能に影響が出る場合もありますので注意が必要です。

 バランス平衡のXLRコネクタとTRSフォンの変換ではバランス同士の接続となり、DTMでもよくある接続形態と言えます。
 例:「ミキサー」のXLR出力と「オーディオインターフェース」のTRSライン入力を接続する。

 ステレオバランス出力のミニプラグからXLRのステレオへの変換ニーズも比較的多い為、専用のケーブルが販売されています。
 例:IfiのDACの5極バランスステレオ出力を、XLRに変換しプリアンプ接続用に実際に導入したケーブルです。
*なお一般的なXLRケーブルの両端がオスとメスコネクタですので、この変換ケーブルのXLRオス端子と接続する事で、簡単に延長ケーブルとして利用可能です。

 コネクタサイズのみ異なるケースでは、変換プラグタイプが手軽に利用出来ます。様々の変換プラグがありますので柔軟に活用出来ます。

 規格と仕様が異なる変換プラグもありますが、これらは結線による特性確認や性能劣化の判断をする必要があります。また接続機器側の対応(出来る・出来ない)も同時にチェックが必要です。

配線ノウハウ

 接続変更が考えられるケースでは、予め工夫をする事で作業性向上や接続ミスを減少できます。
①機器ごとにケーブルカラーを決めて配線する
②ステレオの場合は片チャンネル(右cH)のプラグ近くに識別できるもの(テープ・マーク等)
③「タグ」に接続名を明記する(ネットワーク配線では一般的ですが)。特に多くの同色ケーブルが配線されると、接続先を追いかけるのも大変です。

まとめ

最適な配線まとめ

  • 機器側のコネクタ形状が異なっても、変換コネクタを上手に活用しましょう。
  • 識別やケーブリングは、操作性・メンテナンス性に差が出ます。「色分け」や「ネーミング」を活用しましょう。
  • 同じ系統・同じ経路のケーブルは、同一(長さ・太さ・構造・材質・メーカー)のケーブルを利用しましょう。
     それによりケーブルの「音」の違いを最小化できます。

ここは注意!

  • 電子楽器の音声出力端子がUSBのみで提供されている機材が増加しています。これらはRCA・フォン・XLR等のラインアウトが存在しない為、ミキサーやオーディオインターフェースに接続できません。モニタリングはPC上のDAW・オーディオインターフェースのコントロールソフト経由で行います。
  • 配信用にPCを利用したい場合、フィードバック設定では工夫が必要です。

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