JBL Sound Project!(その2)内臓ネットワークの外部ユニット化

ネットワークユニットBOXの作成

 ネットワークユニットBOXは、アルミを主体とした構造で作成しました。稼働後のノイズ対策等の調整や自由なケーブリングに対応できる様、若干大き目なサイズと、部分的に内部が見えるアクリルを利用した構造とします。
 今回利用したアルミ材”G-Fun”シリーズは、SとN規格毎の様々な長さや接合部品が提供されており、ホームセンターやWEBで入手可能です。
 必要なサイズがなくても加工性が良く切断や穴開けもやり易いので、今回は長尺(1900mm)のアルミフレームを必要な長さに切断して組み上げています。

前面に組み込んだアッテネッター基盤を全体のスケール決定の元とし、ネットワークHIGH基盤は、側面のMDFに穴あけ加工で取り付け、LOW基板は底面に木材加工した上部にはめ込んでいます。

背面はスピコン端子を集約しています。(入力2,出力4)
なお、NEUTRIKの”NL4MP"で構成している為、端子接合は半田で行っています。またコネクターパネルはMIDDLE ATLANTICのUNIV2と4を
利用しています。

ユニット接続と音出し

通電できる状態で、音出試験を実施します。スピコンの最大のメリットは、接続が超簡単な事でしょう。もともとがプロ用機材用に開発されたものですから、バインディングポストに拘りがなければ、ケーブルが自由に選択できる事も含め最適解だと思います。

 今回接続用に使ったスピーカーケーブルは、4芯タイプのMONSTER CABLEの「S16-4R-CL」で統一しています。なおJBL4344MKⅡの内臓ケーブルも、JBL Optimum performance Series(MONSTER CABLE製)が標準装備となっています。

スピコン利用上の注意点

ノイトリック(Neutrik)社によって開発された「スピコン(speakON Loudspeaker Connectors)」は、2芯・4芯・8芯規格が存在します。
スピコンによるアンプとスピーカーシステムとの接続は実際の環境により決定される為、接続の設計が必要となります。

端子コネクタは「1+1-」「2+2-」の様に刻印されますが、例えば4芯のスピコン接続で出力されるのが「ステレオ2チャンネル」なのか、「高音・低音」出力なのか「ブリッジ」出力なのか「BI-WIRE」接続なのかは、端子コネクタ位置とケーブル結線情報を含め明確に判ってる必要があります。実際の例として、下記のケースなどがあります。

  • ステレオパワーアンプのCH1のスピコン(4芯の場合)から、デフォルトで2チャンネル分が出力されている(業務用アンプの例)為、1+1-の結線のみを行い、2つのスピコン(CH1とCH2)からそれぞれのチャンネル出力を得た。
  • 8芯タイプのスピコンを利用し、JBL4344の4ウエイの出力を1本のスピコンケーブル(左右のステレオで2本)のみで接続した。

カスタマイズ内容と接続形態

4344MKⅡの元々のアンプとの接続形態は、下記の通りです。
なお、図ではスピーカー片チャンネルのみ表記していますが、実際には2チャンネル(ステレオ)構成としてご覧ください。

BI-AMPを選択した場合は、2台のスピーカーの場合2台のステレオアンプ(モノラルアンプなら4台)で運転します。

BI-WIRE(NORMAL)を選択した場合は、1台のステレオアンプ(モノラルアンプなら2台)で運転します。

今回は4344MKⅡの内蔵のネットワークを外部ユニット化している為、外部ユニットにアンプ出力の入力と、ネットワーク経由後のスピーカーユニット毎の出力端子(スピコン)を4ウエイ分搭載しています。(2入力、4出力)

外部ユニットのスピコン端子

 インプットは高音用と低音用を継承しており、BI-AMPとBI-WIREも全く同様に構成可能。
 4ウエイアウトプットを「4344MKⅡのスピコン端子」に接続すれば、外部ユニット以前の構成と同じ形態で音出し可能です。

4344MKⅡのスピコン端子

今回、この4344MKⅡの背面に新たに構成した4ウエイスピコン端子が検証の要となります。

  • 外部ユニットからの入力
  • チャンデバ経由のマルチアンプからの入力
  • 上記の混在を自由に選択

つまり、4ウエイのいずれかを選択したアウトプットに接続選択できるので、例えば高音と中音は「BI-WIREの外部ユニット」に接続し、中低音と低音は「チャンデバ経由のマルチアンプ」接続を実現できます。

チャンネルデバイダー経由の4ウエイマルチアンプ構成概念図

マルチアンプの接続概念図ですが、実際にはチャンデバ後のアッテネッターやステレオで4台(モノラルで8台)のアンプの準備を検討する事になります。DSP付きのアンプ*を選択すればチャンデバは不要となりますし、パススルー出力があればデイジー接続可能です。それ以外ではスプリッターが必要ですね。

*DSP付きのアンプ
ここでは「クロスオーバー」機能や「カットオフ周波数」等を、アンプ内蔵のソフトウエアで柔軟に設定できる機器を想定しています。

★次回は実際のアンプとの接続で、音出しを行います。

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