ネームサーバーとレンタルサーバー、「ドメイン」とどう関係している?

 これから新規に有料WEB環境を開設し、自分の「ドメイン」でブログやアフィリエイトを始めたい方、または既に運営中だが「ネットワーク」の仕組みや言葉の意味が「いまいちよくわからん!!」と思っていませんか。

この記事を読むと、次の事が理解できます。

  1. ドメインとインターネットの関係がわかる
  2. レンタルサーバーのIP設定とネームサーバーの役割が理解できる
  3. それらを前提に最適なレンタルサーバーを選択する重要性を理解する

ドメインの役割とインターネット

そもそもドメインとは?

 ドメインは「文字列」.「ドメイン種類」で表されます。
(〇〇〇〇〇.co.jp 、〇〇〇〇〇.net、〇〇〇〇〇.com、〇〇〇〇〇.blog 等)
この[文字列+ドメイン種類]を組み合わせた「ドメイン名」は世界中でただ1つのユニークな名前である必要があり、重複は許されません。
 これにより、「あなたのドメイン」が「あなたを示す唯一の住所」として定義された事になります。

*あくまでインターネット(グローバル環境)での制約であり、ローカルに閉じた環境(会社内のWindows-Serverのドメイン名など)では制限はありません。 なおマイクロソフトでは、ローカル環境「.local」のドメイン種類を構築例としています。

注意1:ドメインのみを管理している(レンタルサーバーを同時に契約していない)レジストラではIPアドレスを管理しない為、レンタルサーバー側のDNS(ネームサーバー)を定義する。

ドメインにはアドレスが存在する

  ドメインがインターネット上の住所だとしても、所在地を表す「番地」がなければ郵便も届かないことになります。それが「IPアドレス」です。
先ほど、インターネット(グローバル環境)とローカル(イントラネット環境)のドメインの存在はお話ししましたが、IPアドレスも「グローバルアドレス」と「ローカルアドレス」で完全に運用が区別されています。

 グローバルIPアドレスは、重複が許されない完全にユニークな割り当てが行われています。つまりあなたのドメインにインターネット側からは「グローバルIPアドレス」でアクセス出来ることで、世界中からWEBアクセスやメール受信などが実現できるのです。

実際にはサーバーに対してIPが割り当てられます

 企業が自社ドメインのグローバルアドレスの割り当て申請をして、自社システムでグローバル運用をする場合は、WWW・メールサーバー、DNSやFTP、データベースなどのサーバーサービス以外に、ファイアーウオールやルーターなどの通信機器のネットワーク設定とセキュリティやウイルス対策、リモート・クラウド環境との連携など大変な管理を運用することになります。

 ここでは、個人のブロガーやアフィリエイトを前提にすると、これらのサーバーサービスは「レンタルサーバー」会社にお任せし、WWW(Wordpress)やメール・FTPやデータベース環境を利用します。
この契約したレンタルサーバーには、必ずIPアドレスが割り当てられますが、1つのIPアドレスで全てのサーバーサービス(WWWやデータベース、メール等)が実現できるように設定されている場合もあります。

注意2:ドメイン管理会社によっては、ドメインのサーバーIPアドレスを公開していない場合もあります。

ネームサーバー(NS)はドメインのIPアドレスの割り当てを管理する

 レンタルサーバーのDNS(NS)サーバー自体のIPアドレス(又は名前)はドメイン管理側で定義します。

DNS(NS)サーバーは、そのドメインのサーバーサービス(wwwやメール等)に割り当てられているIPアドレスの全リストを管理し、名前とIPの紐づけを行っています。
この機能により、各サーバーの名前で(IPアドレスではなく)アクセスが可能になります。(https://www.****.com の様に)

この例では、***.comドメインのDNSサーバーに、www・mail・db・ftpサーバーの名前とIPの紐づきリストと、Serial番号(何かの更新があった時に番号を増加させる)が定義されている。

DNSで定義されたWWWのIPアドレスにアクセスする為のDNSの連携

実際のクライアントから、目的のサイトのWWWへのアクセスは、ザックリと次の様になります。

  1. ローカルのPCやスマホのWEBアクセス(例えばブラウザへのURL入力:https://iine.com/)は、プロバイダー等のDNS経由でインターネット上のDNS(キャッシュサーバー)に問い合わせする。
  2. キャッシュサーバーはDNSルートサーバーに目的のWWWのある管理サーバーのIPを問い合わせる。
  3. 管理サーバーはキャッシュサーバーにIPアドレスを回答し、最終的にローカルのPCやスマホはそのWWWのIPアドレスにアクセスし、情報(例えばブログサイト)が表示される。

DNSサーバーは連携して接続する相手先を回答する

 DNSサーバーの役割はそれぞれ決まっており、クライアントからの要求に対して世界中のDNSサーバーが最速で回答する仕組みとなっています。ですので、この部分の処理スピードはクライアント側はもちろん、レンタルサーバー側で操作できる範囲は無いと思って正解です。
つまり、ドメインの管理会社がドメインのみ管理しているケースでは、処理速度には全く関与しない運用が可能といえます。

注意3:レンタルサーバーを他のサービス会社に移行する場合にIPアドレスの変更が発生しますが、この様にDNS情報が変更になった場合は一般的に数時間~24時間程度の同期時間が必要と言われています。これは、上記のDNSのキャッシュの書き換え(同期時間)が原因ですが、世界中のDNSサーバーの同期を考えると納得できそうです。

WordPressの動作速度はレンタルサーバー側できまる。

結論としては、以上の通りブログサイトの表示速度をアップさせる為には、レンタルサーバーの処理速度の影響を最も考慮する事になります。

  1. レンタルサーバーの物理構成(CPU能力やSSD、メモリ実装量、RAID構成など)のアピールは、信頼感の向上としては良いと思います。
  2. 実際は仮想環境(仮想サーバー・仮想ネットワーク・仮想CPU数・メモリ・シンプロビジョニングのストレージ領域だったりします。
  3. サーバーシステムの上位(インターネット側)には、ロードバランサーやファイアーウオール、UTMウイルス対策機器やL3以上のルータが存在し、通信毎の制御がポリシー化されていると思われます。
  4. これらの実際の設備や機能の全ての要素により、最終的な動作速度は決定されているハズですので、一部分の情報のみで判断は出来ないかな・・と思います。

まとめ

  1. ドメイン管理会社は運用の信頼性の高いレジストラーを選定する
     「お名前.com」をお勧めします。
  2. レンタルサーバーは出来るだけ高速な提供会社を選定する
    結局、継続して高評価の「X-Server」と「ConohaWing」が選択の上位に来ると思います。
  3. レンタルサーバーのDNSの反映には、相応の同期時間が掛かることを理解しましょう。
  4. レンタルサーバーの移行は以前よりも難易度は下がりましたが、移行処理のデータ不整合やアクセス不可時間の発生等のリスクは付きまといます。最初から最適な環境を検討し、構築できれば最高です。
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