Audacity ダウンロードと設定方法

 Audacityは、Windows・Mac・Linux・BSDで動作する音声ファイルエディタを開発するプロジェクトで誕生した、無償のサウンド編集ソフトです。また、WAVE・FLAC・AIFF・MP3・oggといったフォーマットの読み書き・編集機能や、マイクやライン入力からの録音も可能です。さまざまなサウンド編集に活用しましょう。

  1. ダウンロードとインストール方法
  2. 環境設定で重要な4項目を中心に説明

Audacityのダウンロードとインストール方法

これ以降の説明は「Windows10」環境での設定です。
「Audacity」はオフィシャルサイトからダウンロード可能です。
Download | Audacity ® (audacityteam.org)
*窓の杜などのダウンロードサイトも利用可能です。

ここでは「audacity-win-3.1.3-64bit.exe」を実行しセットアップを実施します。
*現在は64bit版がダウンロード可能です。32bit版で利用出来ていたプラグインが利用出来ない可能性がありますのでご注意ください。

Audacity本体のダウンロードした圧縮データを解凍し、インストール画面に沿って設定を進めます

①セットアップを開始後、インストールする言語を選択します。
*後から日本語化モジュール適用の必要がありません。最初から日本語が選択可能です。
*インストール後に他の言語への変更も可能です。
②開始画面で「次へ」ボタンを押します。
③情報を確認して 「次へ」ボタンを押します。
④インストール先を設定します。
⑤デスクトップにアイコンを作成する場合はチェックボックスに✓を入れて、セットアップを実行します。

基本設定と起動イメージ

*初回起動後、メニューバーの「編集」から「環境設定」の「アプリケーション」を選択し「🔲更新を確認する」の✓を外します。*注1

 初めて音源や音声の取り込みを行う場合でも、大き目な操作ボタンやマイクやボリュームスライダーの配置など、初めて操作する場合でも分かり易いUIだと思います。

初期設定と機能

 メニューバーの「編集」から「環境設定」を選択し設定を行います。この初期設定はとても重要ですので4つの項目別に説明致します

デバイス:利用するコンピュータデバイスを選択する

 デバイス表示されるインターフェースは、基本的にAudacityで利用できるリストとなります。(利用できない機能は表示されません)

☆ コンピュータに接続されている外部機器
1.サンワサプライ: MM-ADUSBTC1 USBオーディオ変換アダプタ(TypeC) ヘッドホンとマイク端子、及びボリューム調整・ミュートが可能。
利用目的:SkypeなどのWEB会議、配信や動画音声の入力用
2.DijiFi AD・DDコンバーター
96K対応のデジタルコンバーター
利用目的:サンプリングレート96KHzハイレゾ音源のアナログ変換出力、レコード等の音声入力⇒デジタル変換
☆以降の設定は、これらが接続されているコンピュータの設定内容です。ご自身のコンピュータ構成により異なりますので、読み替えてご参考にして下さい。

①ホストインターフェース:ASIOが選択できない為*注2、WASAPIを選択しています。
・MME(Multimedia Extensions):Windows内蔵のサウンド環境用のAPI
・Windows DirectSound: MMEよりも高性能(ゲーム向け等)のAPI
・Windows WASAPI(Windows Audio Session API):排他モードで低レイテンシを実現、DTMでは必須

②再生デバイス:再生音をどのインターフェースでモニタリングするのかを決定します。マイク録音でヘッドフォンモニタの場合には端子の有無等にも注意が必要です。

  • SPDIF インターフェース:コンピュータにUSB接続のA/D・D/Dコンバーターなどが接続されると表示されますが、表示される名称は機器で異なります。
  • スピーカー:コンピュータ内蔵のデバイスです。
  • スピーカー:USB接続の外部デバイス名です。

③録音デバイス:外部デバイス(接続されている機器)に複数のインターフェース・接続ポートがある場合には

  • 画面ではマイクとなっていますが、USB接続の外部デバイスです(内蔵のマイクではありません)。
  • レコードプレーヤーやカセットテープなどのアナログ音源をAD・DDコンバータのラインから取り込む事も可能です。
  • スピーカーにloopback表示があるデバイスは、取り扱いに注意します。

④チャンネル:ステレオ機能が無いデバイスではモノラルとなります。

*コンピュータに内蔵、または外部接続されたデバイスの確認は、デバイスマネージャーで確認できます。
* 外部・内部デバイスに複数のインターフェース・接続ポートがある場合には、「再生「録音」の該当デバイスとして表示され選択可能です。

品質:サンプリング周波数、その他の設定

 この品質項目での設定は音質に直接影響します。また高音質化に比例してデータ量と処理時間が増加し、コンピュータの負荷も増加します。必要に応じた最適な設定で運用しましょう。

①サンプリング周波数(8,000Hz~384,000Hz)と②サンプル形式(16bit~32bit)は、実際の再生性能に依らず選択できます。必ず適用範囲の値を設定してください。なお、処理範囲外の処理は「処理が停止」するか「音が出ない」症状となります。
③「リアルタイム変換」と④「高音質変換」項目は、それぞれの「サンプリング周波数変換」と「ディザリング」項目のプルダウン選択肢は同じ内容となります。

ライブラリ:LAME MP3ライブラリ

 音源データをMP3に書き出したい場合は、LAME(MP3ライブラリ)が必要です。現バージョンのAudacityは最初からMP3が利用可能(ライブラリバージョン:LAME3.100)ですが、バージョンアップ等が必要な場合にサイトに遷移できます。

エフェクト:利用するエフェクトの設定

 エフェクトは初期状態で全てのチェックボックスに☑が入っています。
DTMソフトではメジャーな「VST」も利用出来ますので積極的な活用が可能です。
特にマイク録音を多用する場合等、コンプレッサーやノイズゲート系のエフェクトが活躍します。

動作確認をしましょう

基本設定を効率的に実施する為にも、音源データを取り込んで動作検証します。
ファイルメニューの「開く」から対象音源を取り込むか、ドラック&ドロップで読み込みます。
画面上部の動作ボタン(スタートボタン・録音ボタン・ポーズ・停止等)で再生と録音の正常性を確認します。

その他の特記事項

ライセンス制限をクリアしてASIOドライバを利用する方法 (*注2)

 AudacityはGPLのオープンソースプログラムですが、スタインバーグ社(ASIO開発元)とGPL双方のライセンスをクリアするASIOの利用条件は「配布不能=個人利用」に限定されます。よって、個人がSteinberg DeveloperサイトでSDKをダウンロードし、C/C++用パッケージマネージャのconanとAudacityソース コードを利用し、再コンパイルしてASIO機能を利用するのはライセンス的にも問題ありません。

まとめ

Audacityの設定方法

  • 高機能で使いやすいインターフェースの無償ソフトで、最新の各OSバージョンで利用可能です。
  • 多目的に活用できますが、手軽に利用する事で価値が高まりそうです。
  • WindowsではASIO利用が難しい為「WASAPI」での運用がお勧めですが、MACはCore Audioが利用出来ます。
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